受賞作品

応募番号
60
応募部門
ガジェット部門
作品名
Ambisonics360 マイクロフォン
応募者名
Qos_mic
作品の説明

概要

360度全天周動画の撮影用に、周囲の音を360度記録するマルチチャンネル・サラウンドマイクを開発しました。
あわせて開発した専用プレイヤーによって、再生時の視点方向にあわせて音場を再現し、より高い没入感を実現します。

動機

Thetaをはじめ、既存の機材で記録した360°動画の録音はステレオのままです。視点は自由に動かすことができても音像は変化しません。
たとえば、右側から音が聞こえてきたから右を向いた、としても、音は相変わらず右から聞こえてくることでしょう。
3Dゲームでは当たり前になった立体音響のしくみのように、視点の方向に追従して音像が変化するようにできないか、と考えました。

システム構成

今回開発したマイクは、正四面体の各頂点方向を向いた、4つの指向性マイクから構成されます。
動画の撮影と同時に、この4チャンネルの音をそれぞれ独立してポータブルレコーダーで録音。
再生時には、視点方向の情報から、各チャンネルの音をミックスすることで、ヘッドホンで再生されるべき2チャンネルの音を再合成しています。
この仕組みは、1970年代に確立されたサラウンド音響の技術、Ambisonicsの考え方に基づいています。

ゴール

自分が生まれ育った街の雑踏のざわめき、通った学校のチャイム、お寺の鐘の音。懐かしい音によって記憶を喚起されたという経験は誰しもが体験しているはず。
360°で映像が撮れるからこそ、見えないものの気配を感じるためのシステムをサラウンド・マイクというかたちで提案しました。

Oculus Riftの登場などによってVR技術に注目が集まる昨今ですが、話題の多くは視覚表現に集中しています。
今回の試みは、視覚偏重の陰で忘れ去られがちな聴覚に光を当てるというチャレンジでもあります。

「百聞は一見に如かず」の一方で、実は「百見は一聞に如かず」もまた真なのではないでしょうか。

作品紹介動画
アプリケーション公開URL
利用したAPIの種類
写真・スクリーンショット1枚目
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写真・スクリーンショット2枚目
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写真・スクリーンショット3枚目
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写真・スクリーンショット4枚目
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写真・スクリーンショット5枚目
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